勤人向分譲住宅

我が町、善福寺1丁目に残る、同潤会の勤人向分譲住宅を紹介
します。設計競技によって採用された計画案に基づき、昭和7年
に34戸が竣工したそうですが、現存するものは1棟か2棟?です。

井草八幡宮近くで、当初の姿に近い形で残されていると思われ
る建物です。最近植栽が整備され建物の外観が良く見えます。
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タイムスリップしたような佇まいですが、80年以上の年月を重ね
てなお愛着が感じられる建物です。また我々設計者にとっては、
当時のモデルハウスに接する、貴重な機会でもあります。

特徴的な妻壁の意匠や、当時としては斬新なコンクリート製の
門柱も、そのまま残されています。
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敷地面積は、平均 135坪 延床面積は、平均 26坪 大凡平屋
だったので、良く知られている善福寺2丁目の普通住宅に較べ
ると、敷地も建物もゆったりしています。現在の都市計画では、
1丁目は40%/80%、2丁目は60%/150%です。(建蔽率/容積率)

同潤会の住宅かどうかは分りませんが、近くにある昭和初期の
建物と思われる住宅を紹介します。
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色々と手が加えられていますが、雰囲気は残っています。

年代は少し新しいようですが、近年改修されて住まいとして使
われています。玄関脇の洋室が特徴的です。
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どちらも南側の庭が分筆されて、敷地が狭くなっていますが、
ホッとする意匠や素材など、未来に残しておきたい佇まいです。

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四つの顔

聖路加国際病院の中にあるトイスラー記念館は、緑に囲まれて
ホッと一息、建物の周囲には、ゆったりした時間が流れています。

1933年(昭和8年)竣工 設計はバーガミニィ 施工は清水組。
移築復元1998年(平成10年)竣工 設計は日建設計+大成建設
詳細は他の文献や資料に譲ります。

以下に、同日ほぼ同時刻に撮影した写真を4カット掲載します。
それぞれの姿は、まるで別の建物ような表情をしています。

テラスのある南側からの姿。
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玄関のある西側の姿。
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切妻屋根が重なる北側の姿。
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非対称の妻壁が印象的な東側の姿。
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室内に入れないため、平面計画やインテリアは未確認ですが、
中央区のHPによると、この建物は聖路加国際病院の宣教師館
として建てられ、室内は伝統的なチューダーゴシック風の意匠で
玄関ホールやリビングなどは重厚な木製の内装で、階段廻りも
特徴的なデザインとあります。

立面の姿は平面計画に随分制約されますが、屋根の形や窓の
配置や大きさは、ある程度自由にデザインすることができます。
また、外観の色彩や材料、ハーフティンバー風の意匠は設計者
の腕の振るいどころです。

方位による光の具合までもが計算され、変化に富んだ四つの顔
には、設計者のこの建物に対する思いが込められ、時間を飛び
超えて、我々に語りかけてきます。

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居間でコンサート

先日、1996年に建てられた、著名な住宅を訪問しました。
築18年とは、とても思えないほど、綺麗にお住まいでした。

設計は、青木淳建築計画事務所、施工は、大栄工務店 他。
敷地面積 404㎡ 延床面積 455㎡ RC造(一部S、SRC造) 3/1
詳細は、既に発表されている文献等に譲ります。
続きを読むに、建築文化(1999.11.)から拝借したフロアプランを
添付します。

少し地面に潜っている1階は塀に囲まれ、2階は廻りの建物か
らの視線が交差しないよう足元に窓。3階は眺望が開けるので
全面開口の三層構成となっています。
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30坪ほどある2階の居間でホームコンサートが開かれました。
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3m程の天井高ですが、自然石の床と、漆喰の壁と天井に音が
反射し、ボサノバがマッチして、響きが抜群に良い居間です。

中休みにテラスに出てみと、足元には南の坪庭。
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見返すと夕日の当たる西の壁面。
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屋上に上がると、花火見物用のテーブル付きの特徴的な手摺
の向こうに、シルエット富士!
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音楽の余韻の中で夕日に輝く眺望を楽しむ。 設計時に眺望は
ともかく、これだけ素敵な場面を、想像できたでしょうか?
建物が、住まい手の生活とともに生きていることを実感します。

3階からの階段の先には、ダイニングテーブルが見えます。
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夕日に染まる、吹き抜けのあるダイニング。
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この建物のPLANは、4つの異なる径の円により構成され、円に
重なるように外壁面が配置され、内部と外部が別れています。
円弧は内外部に連続していて、切り取られた円弧は内部の吹
き抜けとなって各層と繋がっています。“この空間構成は自分
の居場所の相対化であり、素材や光の表現も、居場所の絶対
感を揺るがせる表現を試みた”とあります。

ディテールはとてもシンプルです。
このお宅にはシェパードがいたので、床材はコルクです。
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門扉(片引き戸)の電気錠? 強引ですね(笑)
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普段着の醸し出す生活感とは、異次元の“すまい”でした。

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“小屋”に行ってきました

乃木坂のTOTOギャラリー・間で、開催(4/17~6/22)されている、
中村好文展「小屋においでよ!」に行ってきました。
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古今東西の小屋の名作について語り(3階)、氏が手掛けてきた
「小屋」と「小屋的な住宅」が紹介され(4階)、中庭(3階)には ひとり
暮らしのための 「究極の小屋」(実物)が展示されています。

小屋を通じて「住宅とは何か?」を考えるまたとないきっかけとなり
ますように・・・ とあります。

小屋の名作は、氏が思いを寄せてきた7つの小屋の紹介です。
鴨長明の方丈、ソローの小屋、コルビジェの休暇小屋など、そして
立原道造の風信子荘。また猪谷六合雄は晩年「移動式の小屋」
(キャンピングカー)で暮らしたことや、堀江謙一のマーメイド号は、
「洋上のひとり暮らしの小屋」としてキャビンの模型と写真が紹介
されています。
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氏はサンフランシスコの博物館で特別な許可を得てマーメイド号
の狭いキャビンにもぐり、膝を抱えて座っていると、身体の奥から、
ひたひたと安堵が湧き上がってきたそうです。

これこそ、大自然から身を守る、「究極の小屋」かもしれません。

中庭(3階屋上)には、ひとり暮らし用の小屋が建てられています。
杉のパネルで組まれた、間口3m奥行4mのプレファブ建築で、
インフラを自給自足する、エコロジカルな建物です。
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“続きを読む”に、見どころ手帳のスケッチを添付します。

特徴的な持ち出しの大きなガラス戸を開けると、結構充実した
内部空間が広がります。
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細部にいたるまで、特注でしつらえられたインテリアが、心地よく
豊かな空間と、静かな時間が流れます。

七輪や半世紀前の冷蔵庫など、エコロジカルな台所も充実して、
トイレには、シャワーブースもついています。
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小屋に付属する、作業テラスとポンプ小屋は、きっと場所の制約で
展示されていませんでした。
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4階には、氏が手掛けてきた「小屋」と「小屋的な住宅」と、今回の
小屋のスケッチや図面、写真などが展示されています。
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氏は昨年思い立って、立原道造の風信子荘を見に行ったそうです。
そして、「憑き物が落ちた」ような、「夢を醒まされた」ような気持に
なって、しょんぼりして帰ってきたそうです。
もしかしたら、「5月のそよ風のゼリー」と同様に、イメージの中だけ
で光り輝く建築だったのかもしれません。 とあります。

イメージが具現化されて、それが目の前に現れた時・・・ たくさん
色々なことを考えます。具現化するためには、きっとそれ以上沢山
のことを考えているつもりなのですが・・・ なかなか難しいですね。

この小屋は海辺に建つイメージのようですが、敷地とすまい手が
明確にされていないので、あまりにも普通に心地良い、一人暮らし
の住宅になっているような気がしました。

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風信子荘に行ってきました

ヒヤシンスハウス(風信子荘)は、若くして逝った詩人で建築家の
立原道造が夢見た、5坪足らずの湖畔の小屋です。未完の夢は、
没後65年を経て、2004年11月有志により別所沼に実現しました。

文京区弥生にあった記念館も解体された今、ヒヤシンスの花の
季節の終盤に、ふと思い立って行ってきました。

今では浦和駅や県庁に近く、住宅地の中に突然広がる別所沼は
かつては葦が生い茂り、大蛇が棲んでいたという。
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沼にわたる風で旗がなびいています。どうやら今日は在室らしい・・・
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“続きを読む”に平面図(新建築'05.03.から拝借)を添付します。

道造が欲しかった、沼に向かって開くあまり大きくない窓。
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スケッチでは、沼の東岸に建つ予定でしたが、現状の敷地は西岸。

東立面 2尺ほど北側に張り出た部分は、便所と戸袋の納まり?
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現在でも古さを感じさせない、東南角の建具のディテール。
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戸袋は豊田山荘でも、意匠上重要な役割を果たしていますが・・・
悩ましい張出部天端の納まり。
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北立面 ひょっとすると、落ち着いて一番美しい姿?
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玄関の位置とドアの開き勝手は、対局する絶妙な空間を創り出し
ています。屋根の傾斜と無関係で、天井はフラットだったのです。
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室内を往復して最後に視線が止まる、大きな湖水に向いて開いて
いる、あまり大きくない象徴的な出窓。
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食事や風呂は貰いに行くとして、朝の洗面は汲み置き水?井水?
・・・ついつい、夢から覚めてしまうのでした。

風信子荘は、自分自身と向かい合うことのできる、夢の小屋です。
五月のそよ風をゼリーにして・・・

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プロフィール

Archi・Craft F

Author:Archi・Craft F
■ 東京杉並の一級建築士事務所です。
■ エアデールテリアと暮す住まいは如何?
■ 住宅を中心に、音楽ホールから美術館まで
■ ご要望にピッタリのオンリーワンの設計と、生活を豊かにするプラスワンの提案をさせていただきます。
開設:2010年01月

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