傘立て

先日、知人が出展している絵画を観に国立新美術館に行き
ました。建物については、以前に掲載しました。(コチラ)
今回は美術館の傘立てについて、考えてみたいと思います。

美術館内部への傘の持ち込みは厳禁です。美術品への水
跳ねや、時には傘が凶器になる可能性がある為です。
傘の処理方法は、出入口部に鍵付きの傘立てを設置する
のが一般的ですが、傘立てが必要になる日は、東京の場合
は平均すると3日に1度程度です。それ以外の日は傘立て
は無用の長物になってしまいます。
残念ながら、訪れた日は良い天気で傘とは無関係でした。

正面ゲートから正面入口にアプローチします。
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エントランスポーチの楕円形屋根と、円錐形の風除室。
楕円形の屋根を支えているガラス張りの室内は、なんと
傘立て専用室です。良い天気の今日は無用の長物です。
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室内は全て傘立てで埋まっています。傘立ては移動式なの
で、VIPの来館時などには、片付けてエントランス前室として
の利用を可能にするよう配慮されていると思われます。
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もう一つのアプローチ、地下鉄駅から西入口に向かいます。
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傘立ては、通路の中央部と、建物壁面に設置されています。
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傘立ての収納スペースが、建物に埋め込まれる形で設けら
れています。使用しないときは外壁と同一面で納まるパネル
状の蓋が、きっと何処かに収納されていると思われます。
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通路の中央部に露出して設置されている傘立ては、たぶん
追加設置されたものでしょう。現在は常設になっていますが、
当初からこのように露出して設置するとは思えません。
雨の日以外は、エントランスの雰囲気をこわしてしまいます。

美術館内への傘の持ち込みは厳禁とはいえ、何本分の傘
立てを準備すれば良いのか? とても難しい問題です。
国立新美術館の来館者数は年間、300万人に迫ろうとして
います。開館日数を300日と想定すると、1日平均10,000人
が来館することになります。滞在時間やピーク時などを考慮
して算出しても、正解は導けないかもしれません。
ある程度、フレキシブルな対応を考える必要があります。
また、傘の忘れ物対応にも、多大な労力を必要とします。

晴れている日も邪魔にならず、傘立ての必要数が確保でき、
置き忘れ防止ができる、良い方法はありませんか?

余談ですが、8年前に竣工したホキ美術館の傘立てを思
い出しました。壁に丸く開いた差込口から傘を入れて収納
し、上部に素敵なアクリル球の鍵がついていました。
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建築の一部としてこれほど詳細にデザインされた傘立ては
見たことがありません。とても印象的でした。
素敵なアクリル球の鍵は随分無くなっていました。記念品
として来館者のポケットの中に消えたと考えられます。
必要本数の変化や、鍵の補充について、どのように対応さ
れたのか、今度伺って確認したいと思います。

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原宿駅建替え その後

JR原宿駅建替え計画がどのようになっているか見てきました。
昨年の記事(駅舎の歴史や新駅舎の概要)は、コチラ です。

神宮橋から新宿方向(北)を見ると随分様変わりしてきました。
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神宮橋と並行して架かるコンコースの基礎工事が着々と進ん
でいます。

コンコースの床を支える柱と梁が、明治神宮側から山手線の
外回りを超えて架かって来ています。
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山手線の外回りのホームは、明治神宮敷地内の、今までの
臨時ホームが常設になり、既存のホームは内回りの専用に
なるようです。

メインの出入り口は、既存の駅舎と東京メトロへの階段の中
間、写真で仮設屋根のあたりに設置される予定です。
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都内に残る最も古い木造駅舎は、独特の雰囲気があり原宿
のランドマークとしてなじみ深い建物です。また内外の観光
客にも人気がありますが、新駅舎完成後の旧駅舎の存続は
今だ未定のようです。
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駅を稼働しながらの工事の為、新駅舎の工事は旧駅舎とは
係わりなく粛々と進められていますが、駅の機能が新駅舎に
移行後も、旧駅舎は是非保存して欲しいと思います。

新駅舎が建ちあがって来ると、神宮橋から見る旧駅舎はもう
見ることができなくなってしまいます。
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新駅舎の完成予想図を見ると、原宿らしさは全く感じられな
い何処にでもあるような駅舎の計画で、何だかガッカリさせら
れます。旧駅舎の保存が問題になった、鎌倉駅や国立駅の
教訓は生かされていないようです。

旧駅舎が既に100年も此処に存在していること自体が、とて
も重要なことなのです。それは単なるノスタルジーのみでは
語れない、街の顔なのです。街並みが新しい物だけで埋め
尽くされたら、街はとても味気ないものになってしまします。

旧駅舎の歴史的建造物としての評価はあまり高くないので、
ノスタルジーに浸るためだけに保存するには、費用の問題も
あり難しい。また、新駅舎の一部が明治神宮の敷地内に建
つことにより、新築の費用に加えて、借地料など新たな費用
が発生するようです。

さまざまな問題点がありますが、ポテンシャルの高い街です。
事業主や行政、その他関係者の知恵を集結して、街の顔が保存
されることを願っています。

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ぶらり銀座

久しぶりの、ぶらり銀座です。

気になっていた、数寄屋橋交差点のソニービルは、解体さ
れて、殆んど跡形もなくなっていました。
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今年の夏から、2020年までは「銀座ソニーパーク」として、
フラットで公共的な空間として活用し、2022年には、新しい
概念の新ソニービルが竣工する予定だそうです。

上の写真でお気付きかと思いますが、今まで数寄屋橋交
差点からは、ソニービルに隠れて見ることができなかった、
メゾン・エルメスの側面が良く見えています。2年間限定の
この光景を、設計のレンゾ・ピアノに是非見せたいですね。
「銀座ソニーパーク」は、思いがけず素敵な背景を得ること
になります。夏のOPENが楽しみです。

2001年に竣工したメゾン・エルメスは、外壁全面が450角
のガラスブロックに覆われて、相変わらず綺麗です。
このガラスブロックのモミュメントを見るたび、背後にある
底知れぬ技術力に敬意を払います。
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昨年(2017)春にOPENした、銀座エリア最大規模の複合
施設、ギンザシックスです。
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設計:谷口吉生 鹿島建設 施工:鹿島建設
延床面積:147,856㎡ S・RC・SRC造 地上13階 地下6階

外観のデザインは、オフィスの上層階は水平の「ひさし」、
商業施設の下層階は縦割りの「のれん」をイメージしてい
るそうです。「のれん」は銀座の街並みの連続性に配慮し、
時代とともに変化していくことも想定しているそうです。
何だかパッチワークのようです。

中央通りエントランスの上部。ロゴデザイン:原 研哉
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店舗部の吹抜け。インテリアデザイン:グエナエル・ニコラ
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カボチャのバルーンは、草間弥生のオープニング展示。

エスカレーター脇の 鏡貼りの柱と、間接照明の天井。
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屋上のガーデンや、三原通りのバス乗降所などは、次回
訪れるとして、この巨大な複合ビルは、もう少し時間をか
けて“ぶらり”することが必要のようです。
2016年.9月の“ぶらり銀座”は、コチラ

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原宿駅建替え

JR原宿駅舎の建替え計画があると聞いて少し調べてみました。
原宿駅は、私が青山在住の50数年前に良く利用した思い出深
い駅でもあります。当時は新宿と渋谷に挟まれ、まだまだ のど
かな雰囲気がただよう駅でしたが、1964年の東京五輪を境に
急激に駅周辺の都市化が進み、1972年の地下鉄駅の開業で
さらに拍車がかかりました。今では休日などは人で溢れ、駅へ
の入場制限があるほどです。

昨秋、土曜日午後の風景です。
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駅舎は、1924年(T13)竣工で、設計は長谷川馨(鉄道省)
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(画像はネット上から拝借しました)
現在と比較すると、神宮の森、90年の成長が良くわかります。

同時代に建てられた、旧田園調布駅舎(設計:矢部金太郎)は、
2000年に復元され、また旧国立駅舎は解体保存され2020年
に復元される予定。など、色々な旧駅舎保存の運動が進めら
れています。
駅舎が機能上の限界であることは理解できますが、大正ロマン
を物語る、リゾート地のお洒落な住宅のようなこの駅舎は、単に
機能上の問題のみでは語れない、日々親しまれた利用者や
地域住民との繋りを、忘れてはならないと思います。

昨年6月にJR東日本が公表した、2020年の東京五輪に向けて
の原宿駅改良計画は、明治神宮側(西側)既存の臨時ホームを、
山手線外回りの専用ホーム、既存のホームを内回りの専用
ホームとし、南側の神宮橋に接して駅舎を設ける案のようです。
この平面計画では、旧駅舎と直接絡まないようですが詳細は
不明です。(続きを読むに、平面計画図を添付します)

外観パース (画像はネット上から拝借しました)
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内観パース (画像はネット上から拝借しました)
05_内観パース-360

保存再生された旧駅舎と調和した新駅舎が計画され、トイレや
バリアフリー、安全性などの新機能が充実することを願います。

FNS・フジネットワーク緊急災害時 動物支援本部Natural Dog Style

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庭園美術館

一昨年の秋にリニューアルオープンした、庭園美術館(旧朝香
宮邸)に行って来ました。以前に紹介した、アール・デコの邸宅
(旧朝香宮邸)が、約3年かけて本館の改修と新館の建替えを
行いました。
本館は建物の保存を目的とした調査、修復、復元と設備の改修。
1963年に建てられた旧新館は、耐震性能に問題があったため
解体され、新たにホワイト・キューブの展示空間を備えた新館に
生まれ変わりました。構造・規模:S造一部SRC造2/1 延床面積:
2,140㎡ 設計・監理:東京都財務局+久米設計 施工:戸田・小沢
組JV. アドバイザー:杉本博司

本館の東側(アプローチ側)は、相変わらずの佇まい。
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本館の南側 リシン掻き落としの外壁は綺麗になっています。
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右手奥(西側)に新館が増築されています。スカイラインが低い
ので違和感なく調和しています。

新館の南側、開放的な外観と芝生の庭に繋がるカフェテラスが
魅力的ですが、夏は一寸暑いかもしれません。
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本館の中に入ると、家具が増えています。
大客室のソファーは、どのような座り心地なんでしょう?
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奥の香水塔も解体修理復元されたそうです。

大食堂の家具。お洒落ですが、会話も食事も緊張しそうです。
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2階の殿下居間。壁のクロスが新しくなりました。修復解体時に、
焼けていないクロスが発見され、それに色柄を習って川島織物
が復元したそうです。家具の脚には橇が付いています。
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本館から中庭を見ながら、新館に向かいます。
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新館へのアプローチは、三保谷硝子製のガラス壁で、フィルター
を演出しています。微妙な景観のゆがみが、昭和と平成の時の
流れを繋いでいます。
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緑豊かな庭園の見える、開放的なチケットセンターとショップ。
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新館の建替えに当たっては、本館との調和が最大の課題だっ
たと思われますが、庭の景観を採りこむ事によって違和感なく
調和しています。カフェでゆっくりコーヒーを楽しみました。

FNS・フジネットワーク緊急災害時 動物支援本部Natural Dog Style
プロフィール

Archi・Craft F

Author:Archi・Craft F
■ 東京杉並の一級建築士事務所です。
■ エアデールテリアと暮す住まいは如何?
■ 住宅を中心に、音楽ホールから美術館まで
■ ご要望にピッタリのオンリーワンの設計と、生活を豊かにするプラスワンの提案をさせていただきます。
開設:2010年01月

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